秩父夜祭


毎年12月2日、3日に開催される「秩父夜祭」は秩父地方の総社・秩父神社の例大祭であり、京都祇園祭、飛騨高山祭とともに日本三大曳山祭のひとつとして知られる秩父を代表するお祭りです。

 

古き信仰を今に伝える神社神事、豪華絢爛な笠鉾・屋台の曳き廻しや、秩父盆地に轟く豪壮な秩父屋台囃子、屋台芝居(歌舞伎)に曳き踊り(所作)、夜空を彩る花火などが加わり、今も昔も、多くの人々を魅了し続けています。

 

この祭りは江戸時代中期、秩父神社周辺に立った絹織物の市、「絹大市」(きぬのたかまち)による経済的な発展と共に盛大に行われるようになり、付祭り(神社神事に付随する民間行事)としての屋台行事の始まりは享保年間(1716~36年)であるとの記録が残ります。

 

幕府による華美な屋台行事の禁止令が出された時代や、度重なる戦禍、社会情勢の変化の波を乗り越えながら、現代に伝わっています。

 

「秩父祭の屋台行事と神楽」として国重要無形民俗文化財に、笠鉾・屋台6基は国重要有形民俗文化財の指定を受け、全国の「山・鉾・屋台行事」33件のうちの1つとしてユネスコ無形文化遺産にも登録されています。